動植物を好んでモチーフにするkata kata。
二人が企業からのご依頼で仕事を受ける際、気をつけている事のひとつに花言葉があります。花言葉の始まりは、17世紀頃のトルコ。 トルコでは、”花に思いを託して相手に贈るという風習”があり、日本にも、明治初期頃に西洋から伝わったそうです。根拠がどこにあるのか、誰の権限でそうなったのかは解りませんが、花言葉の中には「裏切り」「嫉妬」「悪意」「愚か」などのネガティブなものがあります。なので、頂いたお仕事では極力害の無い花言葉を持つ植物を選んでデザインをしています。
余談ですが、先に記したとおり”花に思いを託して相手に贈るという風習”があったトルコで、ある日突然「裏切り」「嫉妬」「悪意」「愚か」などの花言葉を持つ花が家に届く恐怖。想像してみました。でも、結局は花なんですよ。届くものは。かわいい風習ですよね。
この素敵で、奇妙で、かわいい風習をkata kataの手ぬぐいにも取り入れてみるのはいかがでしょうか。
kata kataの注染手ぬぐいには短冊のしおりが同封されています。このしおりにはその手ぬぐいのデザインに関連する「ひとこと」が添えられています。そこで、私は提案したいのです。
「手ぬぐいことば」
例えば、
あなたを尊敬してます。
と相手に伝えたい時は、「ねずみと桃」がオススメです。

桃の木の下には何もしなくても花や実に惹かれていきものが集まり、自然に小道ができるということわざがあります。徳のある人の元へは、自然に人々が集まるという例えだそうです。そういう人間を目指そうと思って作った柄です。
しおりのひとことは、「花や実に惹かれていきものが集まり自然に小道ができていきます」となっています。
もうひとつ、
いつも少しだけ緊張感のある私とあなたの間柄。
でも、あなたの真の優しさに私は気づいていますよ。
と相手に伝えたい時は、「とら」がオススメです。

団子虫に歌をうたってあげているトラと鳥を描いています。トラの爪が鋭いので団子虫はハラハラしていますが、トラは穏やかにうたいます。
しおりのひとことは、「気が合う友だちですがトラの爪が鋭いのでだんご虫はハラハラしています」となっています。
最後は、
あなたのこれからの挑戦を応援しています。
と相手に伝えたい時は、「うみ」がオススメです。

スワヒリ語のことわざ
“Nyuma ni kweupe mbele ni kweusi”
後方は明るい、前方は暗い
通ってきたところは知っている分明るく感じ、
これから行く未知なる場所は暗く感じる、という意味があります。うみの冒険をイメージして染めました。
しおりのひとことは、
「航海の先にある未知なる場所が明るい事を願う」となっています。
今回挙げた3点は全て私がkata kataのデザインとしおりの「ひとこと」をみて思いついたものです。kata kataが普段より心がけている「ものがたり」と「会話」がうまれるデザインとは、まさしくこういうことなのだろうと思い、花言葉ならぬ「手ぬぐいことば」をご提案してみました。しおりの「ひとこと」が皆さんの想像力を刺激してくれるのではないでしょうか。
kata kataの手ぬぐいをプレゼントにお考えの際には(ご自分へのプレゼント含め)、是非「手ぬぐいことば」を想像してみてください。

アシスタント:タカイチカ